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ドイツ東西統一記念日

10月3日は東西ドイツの統一記念日でした。
お休みは水曜日ですが、その後に続く木曜、金曜日はブリュッケンターゲ、
お休みとお休み(週末)の間の橋渡しの日、ということで、そのまま5連休、
としている人が多いようです。しかも、来週からの秋休みシーズン2週間も始まるので、
ドイツのビジネス環境、ますますのんびりムードに・・・
弊社は通常営業ですが、仕事を進めようにも依頼先の担当者がお休みだったりで、
なかなか苦労しております。。。

分断されていた東西ドイツがまたひとつになった、記念すべき日、ということで
マスメディアを通じて流れてくるのはお祝いムード。
ですが、今年の統一記念日、7月のNPD、極右政党のデモを思い出さざるをえませんでした。

デモがあったのは7月7日(土)、七夕の日。約1,000名の「ネオナチ」と呼ばれる
NPD支持者によるデモがフランクフルトで開催されました。
デモの趣旨は、反グローバライゼーション。
失業率が改善されないのは外国人労働者の増加のせい、とし、外国人移民の排斥を
訴えるデモ、ということで、日本人が多く住む地域近くでの開催、ということもあり、
この日終業式を予定していた日本人補習校は緊急休校、領事館からも注意喚起が
ありました。

我が家の近くもデモ行進があり、窓からそっと覗くと、今までに見たこともないような
警官の行進に続き(報道発表では約8,000名の警官が動員されたそうです)、
黒いおどろおどろしい服装に身を包んで、黒い殴り書きの文字を書いた紙をもった
若者たちが、ぞろぞろと力なく歩いていく姿に、恐怖を感じました。
恐怖、といっても、こちらでの他のデモ同様、しっかりルール、警官の指示に従った上で
自分たちの意思表示をするという形式のデモ、決して暴力的なものではありませんでした
が、何だか、彼らの行き場のない悲しさ、というものが伝わってきました。
デモの顛末としてその後伝えられたのは、実際にはNPD支持者のデモ参加者を
はるかに上回る数の反NPD関連団体によるデモ参加者の活動が目立ってしまった
ようで、移民の多いフランクフルトらしいデモになったようです。

最近は「善き人のソナタ」などの映画、ドラマでも旧東ドイツを舞台にしたものが増え、
いかに東ドイツのやり方がひどかったか、がベースになっているものが多い気が
しますが、あのデモを見た後は、統一によって幸福になれなかった人もいる、という気持ちで
複雑です(「善き人の・・・」映画自体は好きです)。簡単に考えてしまうと、変化し続ける環境の中で変わっていけなかったから、とも言えますが、実際にはそう簡単にはいかないのでしょう。
以前見たデータでは、旧東ドイツでは圧倒的に女性の方が旧西ドイツに移住し、残された
男性達は失業、結婚相手不足などの問題を抱えながらもその土地に残る傾向があるそう。
ずっとずっと昔、大学の授業で当時東西に分かれていたドイツが統一した場合の、西側へ
の経済的ダメージ、についての講義はぼ~んやりと聞いていたような記憶がある程度
ですが、多分、その時に出ていた以上のダメージが現実にはあるのでは、と思います。

それからこれももうずっと昔ですが、東西ドイツの壁崩壊のニュースを見ていたのは、
「21世紀の文明」をテーマにした大きなシンポジウムの企画運営の仕事を終えて
おつかれ様会をしていた関係者控え室だったのを今でも覚えています。
初めての大きな仕事を終えた満足感と疲労感の中、当時そのシンポジウムを主催した
新聞社の新入社員だった弊社の矢島と一緒に、ボーッと画面を眺めていたのを、
知恵さん、覚えているかな?
by ensemblau | 2007-10-05 12:49

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