2006年 11月 30日
Don't think pink.
Don't Think Pink (ピンク色で考えないで)
女性の購買力に注目し、その女性達に買ってもらうにはどうすればいいか、
を呼びかけるこの本、共感したのはまず冒頭の章です。
女性をターゲットとしたマーケティングを考える場合、パステルカラーや花柄、といった
古くからのステレオタイプ的考えを払拭することを説いています。
もちろんターゲット層にもよりますが、一般的に、購買力を持つ女性がそういう花柄ピンク・
マーケティングに出会うと、先方の悪意は感じないものの小馬鹿にされたような気分に
なる、と女性向けマーケティング会社ReachWomen 創設者の筆者は語ります。
この気持ち、よくわかります。
私たちも女性をターゲットとしたマーケティングのお手伝いをさせていただく機会が多々
あるのですが、新しく組んだデザイナーの方が出してくれる第一案はほとんどの場合、
ピンク・パステル、ハートが飛んでしまったりすることも、あるのです。
その後話し合いをすればちゃんとわかってくれるのですが、特に男性の場合、このあたり
の微妙な感覚は、分かり難いのかもしれませんね。
ちょっとおしゃれなども気にするようになった高校生ぐらいの頃、父が出張先から
ギャル~♪なタイプの女性が着そうな派手な革のジャケットをお土産に買ってきた時の
ことを懐かしく思い出してしまいます。
女性向けのウェブサイトにもいろいろありますが、女性が主体になって作っているサイトで、
ピンク・パステルというのはほとんど見当たらず、どちらかというとグレーやブラウン、といった渋めの色をベースにペールトーンのパステルを取り入れている、というのが殆どで面白いと思います。
こういうステレオタイプ・マーケティングの罠は、性別だけに限りませんよね。
たとえば、欧州市場へのマーケティング。
欧州での暮らしに慣れてくるにつれて、時々、日本企業やアジアの企業の宣伝を見ていて
おかしな印象を持ってしまうことがあります。
何かが、微妙に、欧州での感覚からずれているのです。
こんな時、日本的な感覚も持ちながら欧州的感覚にも同感できる私達の「さじ加減」を
ご利用いただければ、と思います。
by ensemblau
| 2006-11-30 18:03